今日は息子が寝たよ
今日は寝たねー。寝ちゃったよ~。
……とカチャカチャやっていたら、起きた。
仕方なく、翌日の深夜しっかり寝入ってからこれを打ち込んでいる。
不思議なもんで早寝すると私がしばらく横にいないと察知して起きるのに、夜中に寝始めると何をしても起きないほど熟睡する。
パンツを食い込ませて「ふんどし!」なんてことをやっても寝ている。
早寝してもそうであってもらいたいものだが、思うようにならないものよ。
以前、息子が夜なかなか寝ないって話を記事にしたんだけれども。
いやー、やっぱり寝ませんわ。夜も寝なけりゃ昼寝もしませんわ。
多分、うちの息子は完全なる夜型人間体質のようで、寝不足は平気だけど朝めっぽう弱いみたいで放っておけば昼間で寝る。
何を隠そう私もそうだ。
宵っ張りの朝寝坊を地で行く生き様はバッチリ遺伝したのだな。
遺伝子レベルでの問題となると避けられない運命だったようだけど、義務教育開始前から朝起きて行動するのは余儀なくされるし、社会人になっても避けられぬ習慣だというのに。
なんと哀れな。私がそれで苦労したのに、息子のお前までそうなってしまうとは……。
しかし、そこを何とか習慣付けて母子で修行をせねばと心を鬼にして自分に厳しく、息子には仏の心を持って寝かしつけしていた時期もあったが、今となっては心の鬼は徹底的に退治して、仏と忍耐はバキバキのボキにへし折ってコテンパンにしたので、自堕落な私と宵っ張りの息子が夜更かしをする日々を送っている。
鬼も仏も忍耐の心もいらん。どこぞの立派な人にくれてやるから私の心に平穏をくれ、といったところだ。
だって考えても見て欲しい。
育児は周りの人間がいて協力してくれたら少しは楽になるが、協力してくれるはずのそこにいるの人間が一番の障害になってしまうことだってあるのだ。
寝かしつけの前に家事を終わらせて、
お風呂に入れてゆっくり化粧水塗る余裕も無いまま歯磨きさせて、
真っ暗闇で何の娯楽もないまま子供をトントンしたり、さわさわして、
1時間以上掛けてようやく落ち着いてきたな~これから寝るかな~
ガチャッ……
お父さん帰ってきちゃったね。
テンション爆上がりで子供が出迎えに走って全てが無に帰るね。
これあるあるね。あるあるだけどガチャっとドア開いた瞬間、
「おのれ……謀りおったな……」
という並々ならぬ怒りが湧く。
煮え湯を飲まされたと言っても過言ではない。悪気はなくとも許せない。
しかし、私は走り去る息子の背を睨みつつ、抑え切れないネガティブな感情を押し殺すしかない。だって、怒鳴ったところで子は寝ないのだから。
苛立つ気持ちを抑えて、暗闇でツムツムでもやってブルーライトをしこたま浴びた方がまだ健全だ。
そもそも、寝かしつけがやったらやっただけ身になる努力なら、息子はとっくに早寝早起きの習慣が身に付いている。
断言できる。私は努力した。でも寝ないもんは寝ない。
私がどんなに努力と工夫をこらしても、何やっても寝ないんだからもう諦めて寝るまで放っておくことにしたのだ。
それと残念ながら私は、真面目にコツコツ努力続けていくような立派な忍耐は持ち合わせていないし、これから先も無理して忍耐を続けるつもりもない。
宵っ張りの朝寝坊が遺伝子レベルの問題なら、切羽詰ってケツに火が点いてからやるしかないのだ。
苦労すればいいのだ。息子が。
(しかし、それに伴って私も苦労してしまうだろう未来がハッキリと見えて、ものすごく辟易している)
あとこれは少し言い訳になってしまうが、ADHDの特性持ちが育児をする以上、一般的に努力が必要なことでは楽に逃げて、できることで工夫していく方が周りの人間のためだと思っている。
育児に限らず、本人は必死で苦労して七転八倒していても、そういうことこそ身にならないことが多々あるし、それこそ身にならなかった結果によって悪い方向に転がったり、物事が思うように運ばなければ感情を爆発させることもある。
何を隠そう私がそうだ。隠してないけど。
ましてや育児となると、身にならなかった結果の状態の子供が泣いたり暴れたりするのだから、現在進行形で育児をしている人間からすれば最中の心境は推して知るべしだ。
でね、周りの人間てのは静かにしてると視界に入らないけど、騒げばどうしても目に付くから、要は感情を爆発させたところだけを見せてしまう結果につながる。
Twitterやfacebookでも母親がパンクした状態だけを切り取って、場合によってはそれを盗撮して槍玉に挙げているのを見かけるが、あれだってきっと溜まりに溜まってああなったに違いないだろう。
息子が大好きなシン・ゴジラのカヨコ・アン・パタースンのセリフに「ランドゥー・ヤグチがbetterな選択」ってのがあるが、石原さとみのbetterの発音が気になって、毎日私の脳内で繰り返し再生されて困っている。
もとい。カヨコのセリフを拝借して言い換えるのならば、〈夜更かしする息子を無理して寝かしつけないのが私のベストな選択〉なのだ。
それに寝ない寝ないと苦労して、拘束時間だけが長くなる状態で精神状態を悪くするのはbetterな選択とは言えない。
21~22時頃に帰ってきた夫の横で、その夫に手渡されたiPadでYouTubeを観る息子を尻目に、ツムツムをするのが私にはベストな選択というわけだ。
この後、寝かしつけを台無しにした夫がデカイ声で電話しながらゲームを始めるのだ。
だから私は、少しの間だけであっても穏やかな気持ちで過ごしておかなければならない。
私が乙事主様だったらとっくに祟り神になっている状況なのだから。
ダメーッ‼ 乙事主さま‼ タタリ神なんかにならないで!! 乙事主さま‼
ブヒィィィ‼